アオイがシホの手に攫われ、2人が快楽に堕ちた二日後……。  命じられていた休暇が終わり、シホとアオイは警察騎士団本部へ足を運ぶ……前の、早朝に行動していた。  身も心も快楽に堕ちた2人は快楽を与え続けられる限り、シャドウの奴隷である。  そんな彼女たちはそれぞれ手に液体の入った瓶を手に本部に足を踏み入れていた。  夜勤をしている騎士たちの視線を避け、隠密行動に徹して彼女たちは本部にある井戸へとたどり着いた。井戸は訓練中の給水や本部内での給仕場や医務室など全ての水を供給しており、毒など混入されればたまったものではない。そのためか特定の人物しか入れないように、頑丈に作られた小さな小屋の中に井戸があり、一つしかない扉には厳重な鍵が付けられている。許された人間にしか鍵は渡されておらず、警邏として一人の騎士が巡回している。  それを突破するのは本来ならば不可能であるが、今回は協力者がおり、シホとアオイが小屋の前に向かうと一人の女性がいた。 「誰が来るのかと思っていましたが……。貴女たちでしたか~」  小屋の前にいたのは、警察騎士団副団長ツバキ・ハルモトだった。  彼女は薄い桜色の髪をセミロングにしており、垂れ目といつもうっすらと微笑んでいるのが特徴的で、おっとりとした雰囲気を醸し題してる女性だった。年齢は35歳で団長であるチサトよりも3歳年上で、赤い騎士服の上からでもはっきりと分かる、男性の誰もがつい目を向けてしまうたわわな胸と纏っている雰囲気が母性を感じさせるが未婚である。  剣の腕もさることながら、その捜査能力は警察騎士団随一であり、独自の捜査でシャドウの尻尾を掴みこれから騎士団総員で調査を行おうという時に、捜査されていることをシャドウに知られてしまった。  長期休暇を取っている際に攫われ、肉体改造、洗脳を施され、その後は昼は洗脳下で情報をシャドウにそれとなく流し、夜はシャドウの取引相手であるとある貴族の手によって一か月の調教の末に快楽に堕ち、シャドウの手駒となっていた。 「まさか、副団長が協力者だったなんて……」 「ここに入れるとなったらそれなりの地位の人だと思っていたけれど……」 「私も貴女たちがここへ来ることは予想外でしたよ~。見た限り洗脳状態ではない。つまりその年齢で私と同じように快楽の神髄を味わったようですね~。どこかで一緒に味わえることを楽しみにしていますよ~」  微笑み語る姿はたまに見かける、いつものツバキと変わりがないものの、内容はあまりにもおかしなものだった。 「そうですね。ぜひとも一緒に味わいたいところです」 「アシラ様の実験の手伝いの時にも顔を合わせるかもしれないわね」  3人が3人、その脳内を色欲で染め、股を濡らす。しかしすぐさま正気に戻り、ツバキはシホとアオイを小屋の中へ入れた。  そしてすぐ目の前にあった井戸に2人が手に持っていた瓶の中身を全て垂らし、すぐに外へ出た。 「これで任務完了だね」 「あとは二日後のシャドウの拠点突入任務を待つだけね」 「それではこれで解散ということで~」  3人はすぐさま解散した。周りに目がないとはいえ、リスクを最小限にするためだった。  そうして3人は出勤時間になると普段通りに出勤をするのであった。    それから二日後、警察騎士団が団長自ら精鋭を率いてシャドウの本拠地へ捜査へ向かう時が来た。 「よし。準備完了だな」  警察騎士団本部に複数ある会議室の一つに団長であるチサト、副団長のツバキ、そしてチサトが集めた精鋭と呼べる団員100名が勢ぞろいしていた。  その全員が女性であり、団長であるチサトは黒い全身鎧を、それ以外は白い全身鎧を身にまとっていた。顔以外は全てが全身鎧に隠れているが、その鎧はゴツゴツとしたものではなく、身体のラインがしっかりと見えるようなシュッとした鎧だった。  そんな鎧、しかも女性だけで精鋭と呼べるのかと疑問に思うかもしれない。  しかし、現在のムラサメ王国の主戦力は女性だった。  ここ100年で、彼女たちが身にまとっている鎧、強化鎧がムラサメ王国で開発され普及し広まり、より一層大陸の覇者として地位を盤石にした。  強化鎧は読んで字のごとく、身にまとった者を強化してくれる鎧であり、着用者に成人男性3人分の力を発揮し与えてくれる。ただし、強化をするには魔力が必要不可欠であり、必然的に女性しか身にまとうことができず、鎧の効力の強さもあってムラサメ王国の男性騎士団員は徐々にその数を減らしていき、現在では騎士として女性が事務方として男性が勤めている。  100年前までは文官も武官も9割が男性であったが、現代では文官の3割と武官の9割が女性であり、少なからず女尊男卑の風潮が流れ、女性に対して対抗心を燃やす男性も少なくはなかった。  平和な国であり強国であもあるはムラサメ王国は外敵に怯える必要がないからこそ、政治においては腐敗が進み、国内の全てで男と女の対立が水面下あり、その内実は平和とは名ばかりであった。  「さて、改めて作戦の説明をしよう。まず今から向かうのはこれまで中々尻尾を見せなかったシャドウの本拠地だ。場所は全員頭に入っているな」  チサトが見渡すと皆がうなずく。 「2日前に説明した通り、これは罠の可能性もある。攫われた見習い騎士が盗み聞きして手に入れた情報だからな。……しかし、これがチャンスであることも事実。これまで尻尾を全く掴ませてくれなかった奴らの唯一の手掛かりだ」  チサトが息を吸う。  そして会議室に響く大きな声を放つ。    「罠など喰らい破れ!! 我らムラサメ王国に負けはない!! だが油断はするな!! 全身全霊をもって潰すのだ!!」  強化鎧が開発されて以降、訓練することなく強力な力が手に入ることから兵の質の低下が心配されていた。しかし、その心配は杞憂だった。歴代の各騎士団長はより厳しい基準と訓練を策定し、兵の質の低下を防いできた。  が、それでも国境での小さな小競り合いや、盗賊の討伐、国内犯罪組織の摘発などでは油断する兵士もいた。  それらを騎士として団長として見てきたチサトは、だから改めて油断をなくすように言ったのだった。 「行くぞ!!」  チサトの言葉に従って、全員が動き出した。 「後は頼んだぞ、ツバキ」 「は~い、全て私に任せて団長は思う存分、暴れてきてくださいね~」  警察騎士団は戦闘集団でもある。国内の治安を守るのが彼女らの役割であり、場数であれば強国として侵攻が少なく戦闘も少ない防衛騎士団と王城を守護する近衛騎士団よりも圧倒的に多く、血の気の多い騎士も多い。  チサトも団長として基本的には後方で指揮することが多いが、若い頃からその武勇は有名であり、今でも時折現場へと出てくるくらいは闘いたい質である。 「うむ。それではな」  先に出た精鋭たちを追うように、チサトも部屋を出ていった。 「ふふっ。この国の全ては我らシャドウの手に堕ちるんですよ~。貴女も、ね……」  その背後では全幅の信頼を寄せている副団長がニヤリと邪悪な笑みを浮かべていることに気づかないまま……。      「行けー!! 行けー!!」  突入だ。  シホの証言通り、草原地帯にうまく隠されていたが地中には地下へと続く扉があった。  電光石火の如く、団長のチサトが先頭に立ち、大理石のような白く長い通路を突っ走る。   「扉が開かない!! 固すぎる!!」  100名が入りきるほどの長く、横に広い通路を3分ほど走った先には扉があった。ひとりが強化鎧で巨人の如し力をもって扉を殴っても傷ひとつつかない。2名で協力して何十回と叩いた末にやっとミシッと音を出す程の固さだった。 「団長!! 罠の可能があります!! 撤退を!!」 「キサラ……。そうだな、撤退しよう」    今回の副官に任命していた、紫髪をサイドテールに結んでいる女性のキサラの要請をチサトは冷静に受け止める。  チサトの決断を素早く、すぐに大声で命令を発した。 「撤退だ!! てった——」 『もう帰るのかね』  突如として、通路中に男の声が流れた。  それはアシラの声だった。  「全員、耳を貸すな!! 急ぎ撤退しろ!!」  『できると思うかね』  来た道を戻る騎士たちだったが、最初に扉へ到達した者の一人が焦った様子でチサトの元へと駆けつけた。    「団長!! 入ってきた扉が閉っています!!」  「何……!? 何かされる前に扉を破壊するんだ!!」  「了解!!」  (罠だったか!! ならば素早く脱出するまでだ!! ……幸いにして通路の壁が閉じるような罠ではなさそうだな)  チサトが油断なく周囲の様子を観察している間、ドゴンッドゴンッと轟音が通路中に鳴り響く。  『無駄だよ。その扉を破壊するには1時間くらいはかかるだろうね』  「お前は何者だ」  『私が君たちが求めるシャドウを作り出した者、アシラだ。以後、よろしく頼むよ』  「よろしくだと……? そんな筋合いはない。貴様は我々が必ず独房にぶち込んでやる。構成員たちもな」  『ふふふっ。それは無理なことだ。何せ君たちは私の実験道具になり、そして男たちの欲望のはけ口になるのだからね。ほら、この音が聞こえるかな』  「……? ん?」  アシラの言う通り、何かが聞こえる。  それは小さい音だ。  キィィィンと小さく、だが確かに通路中に響く音。  音は少しずつ、大きくなっていく。 『音が大きくなるにつれて身体が熱くなってこないかい?』 「……ふぅ……はぁ……。なん、だ……これは……」  確かに身体が熱くなってきている。それはチサトだけでなく、他の騎士たちも同様だった。誰もが頬を紅潮させて、湿っぽい吐息を吐いている。 『君たちの身体には今、私の作り出した小さな、小さなマシンが侵入している。それがこの音を感知して、君たちを興奮状態にしてるんだ』  マシンというのは人類で初めてアシラが作り出した装置のことであり、その動力源は魔力である。例えば洗脳装置もマシンであり、そして生物とマシンを組み合わせたのが、肉体改造装置だ。  アシラは恐ろしいことに、マシンの超小型化に成功しており、目に見えないほど小さなマシンを作り上げている。それが彼女たちの肉体内に侵入しているものの正体であり、シホたちが井戸に入れた液体はその極小マシンが無数に含まれていたのだった。   「そんなものを……、いつの間にか……」   チサトはマシンという言葉を聞いたことがない。しかし、彼女にとってその正体が重要ではなく、いつそんなものを肉体内に入れてしまったのかが問題だった。   『飲み水だよ。警察騎士団本部の井戸に細工をね』 「馬鹿な……。あそこは厳重な警戒をしている……。——まさか!? 裏切者が……!?」 『ご明察だ。ちなみにこの音を聞き続けるとどうなると思う?』  音がどんどん大きくなる。耳を防ぎたくなるほどの高音と大きさ。  肉体はどんどん発情していき、じゅく……と股間が濡れる。 「ふ、く……はぁ、はぁ、はぁ……。く、そ……」  視界が霞み、全身からは玉の汗をかいている。乳首はツンと固くなり、クリトリスはと皮から剥けてしまうほどむくりと勃起してしまっている。アソコは疼きに疼いて何もしていないのに微弱な快感を生み、全身を駆け巡る情欲の熱に何もかも任せてしまいたくなる。  アシラの開発した極小マシン、強制発情装置は頭の先からつま先まで分散しており、今ながれている音を感じると、宿主の魔力を吸収を始めて起動する。起動すると脳内にいるマシンが脳に作用し、強制的に発情させるという仕組みだ。さらに全身に分散しているマシンは一時的に性的感度を数倍にまで上げ、官能の沼に宿主を堕としていく。   「はぁはぁはぁ……、ん……ぁ……、はぁ、はぁ……」  狂いそうになるほどの性的興奮は頭を真っ白にさせて思考を奪う。  抵抗する意思を奪う。  精鋭たちの誰しもが、強化鎧を脱ぎ始め、その下に着ていた薄い服をビリビリと破いて美しくも引き締まった肉体をお披露目する。  座り込んでいる者、壁に寄りかかっている者、立っている者。  誰もが熱にうなされているかのようにぼんやりとした目つきのまま、うっすらと笑みを浮かべて思い思いに自らの肉体を愛撫し始める。 「あはぁ……♥はあぁ♥あぁ、あっ……♥」 「んふ♥ふっ、ふぁっ……♥あぁぁ……♥」 「あっ♥あっ、あっ……♥はぁんっ……♥」  腰をくねらせ、全身をブルブルと震わせ、股から愛液を滴り落とす。  強力な発情は精鋭たちの精神をたやすく蝕み、官能に狂わせていた。  その姿は強力な騎士の姿ではなく、ただの官能に溺れた女たちの姿だった。   「だん、ちょ……う……♥」 「キサ、ラ……。やめろ……」  強靭な精神力でかろうじて正気を保っているチサト。そんな彼女に情欲に肉体を支配されたキサラが近づいてきた。  虚ろな目でキサラはチサトを押し倒してチサトの鎧を脱がせてくる。発情状態のせいで抵抗らしい抵抗はできず、キサラの手によって簡単に強化鎧は脱がせられ、ビリビリと下に着ていた服が破かれる。  ブルンと豊満な胸が飛び出し左右に分かれ、軽い手入れしかしていない生い茂った陰毛の生えたすっかり発情しきった熟れかけた肉華がお披露目された。  そしてキサラはチサトの脚を大きく広げると、その間に己の股を差し込んだ。 「はぁはぁはぁ……♥だんちょう……だんちょう……♥♥」 「んはっ、あぁぁ……♥や、めろぉ……」  濡れた肉貝と肉貝が合わさった。ぬるっと膣口同士が絡み合い、ぬるぬると擦れあい、ぬちぬちと粘った音が鳴る。  ビリビリと甘い電流がチサトのマンコから頭の先までかけ走り、強靭な精神で何とか保っていた官能と正気の境界線のバランスを崩しだす。 「あぁぁ……♥だんちょう……きもちいぃ……きもちいいよぉ……♥♥」 「あ、あ、あぁ……♥やめ……あぁぁ……はぁぁ……く、そぉ……!! はぁはぁ……ふ、ぁあぁぁ……♥き、さらぁ……♥♥」  一度確かな快楽を感じてしまえば例え団長として多くの責任を負い、性格も相まって強靭な精神を持っていたチサトであっても、マシンによる強力な発情の前に一瞬、正気を手放してしまった。 『さて、お楽しみのところ悪いが、そろそろ終わりの時間がくるようだ』  通路中に響く女たちの甘い艶声に交じって、つんざくような高音で大きな音が最高潮に達していた。  ——きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!  「あはぁぁ……いぃ♥ いい♥ きもちいい♥♥」  「はっはっあぁぁぁぁっ♥♥すごいぃぃぃぃっ♥♥」  「こんなのっ、はじめてぇっ♥♥きもちいのっ♥♥」  同時に興奮も最高潮に達していた。  腰をヘコヘコと動かしながらグチュグチュグチュと指が肉壺を激しく掻きまわす音がそこら中から聞こえ、目じりを下げた半目と口角を上げた官能の笑みを浮かべて誰もがラストスパートをかけていた。 「あぁあああんっ♥♥だんちょうっ、だんちょうっ♥もっときもちよくっ♥もっとっ、もっとぉおっ♥♥♥」 「ふぁあっ、ああああっ♥♥くっ、はぁぁっ、きさらぁっ!! くそっ!! こんなっ……!? はぁああっ♥あぁぁああぁぁぁっ♥♥♥」  キサラは腰を激しく動かしている。キサラとチサトのクリ同士が何度も弾きあい、ビリリッと強烈な快感を生み出している。  チサトは正気と淫らな思考を何度も行ったり来たりしながら、キサラと同様に腰を激しく動かし、自らの肉貝をキサラの肉貝に強く押し付けていた。  そして音が……。  ——キインッ!!  と強く鳴った。  その瞬間。    「「「「「「「——ん"ほオ"っ☆?♥♥!!?♥☆!♥☆☆?♥!!」」」」」」」  ——ブッシュウウウウウウウウウウウッッ!!!!!!  まるで全身を巡り溜まっていたすべての情欲のマグマを一気に噴出させるかのような超強力なアクメが、100名にも及ぶ精鋭と呼ぶべき女たちを襲った。  誰もが腰を突き出しながら潮を噴出し、床だけでなく天井まで濡らすほどの勢いで出た透明の液体は、ビクッビクッビクッと全身を激しく痙攣させている女たちに降りかかる。  「「「「「「「……ォ……♥ォォ……♥ォ……♥」」」」」」」    誰もが瞳をひっくり返らせて白目を剥き、団長であるチサトも例外なくその美しく端正な顔を無様なアへ顔に変貌させ、あまりの強烈な絶頂に彼女たちは意識を手放していた。遅れるかのように立っていた者たちはバタバタと倒れていき、皆が全身を弛緩させて尿を漏らす者もいる。 『あっけないものだね。だが安心するといい。これで終わりではないからね。肉体改造に洗脳。それが済めば君たちはオークションにかけられ、主人たちに調教されるのさ。……そう。君たちはシャドウのための、私のための資金にして実験道具になるのさ』  そうアシラが言い終わると天井の一部が開き、ピンク色の触手が無数にワラワラと伸びてきた。触手たちは彼女たちの腰に巻き付き、次々と彼女たちを天井の中へと引っ張り上げていく。  一人、また一人と天井の中に消えていき、最後にチサトの腰にシュルシュルと触手が巻き付く。  だらんと力なく四肢が、髪が、そして豊満な乳房が重力に従って垂れ、ゆっくりと天井の中へと彼女をいざなう。  そして。    ——……。  誰もいなくなった。  残っているのは壁や天井や床に飛び散ちる透明な液体と所々に広がる黄色い液体、そしてそれらが放つ臭いが混ざり合った淫臭だけだった。  工場。  それは生産用の機械をそなえておりそれを使用して工員が製品の製造や加工に従事する施設。  例えば、織機をそなえそれを使用して作業員が絹糸から織物を作り出す施設。  そしてシャドウはとある工場を持っている。  それは肉体改造と洗脳工場。  肉体改造装置と洗脳装置をそなえ触手やマシンが女たちを運び、肉体を改造し洗脳人格を作り出す施設。  大多数の人間に肉体改造と洗脳を施すなどいつから考えていたのか。いつ、などは定かではないが、現実として傍からみれば悪魔の工場ともいえる施設はあり、稼働していた。   「クソッ!! 外れねぇ!!」 「くっ……。外れない!!」 「私たち……、どうなっちゃうの……」  細い通路を警察騎士団の精鋭たちが運ばれていた。服などは何もなく、美しき女体をさらけ出されていた。  通路の天井の真ん中部分がまっすぐ窪んでおり、窪みからは触手が伸び、背中へと回された彼女たちの両手の手首を触手が縛り、地面からわずかに彼女たちを浮かせている。くぼみに沿って触手は移動しているが、一度移動しては数分止まり、まだ移動しては数分止まるのを繰り返していた。  運ばれている精鋭たちは怒りの声をあげるものがほとんどだったが、中には不安げな表情を浮かべる者もいる。彼女たち自身、なぜこのような状況に陥っているのか理解できていなかった。彼女たちの視点では突然意識が朦朧として意識を失ったことになっていた。強力な発情は精鋭たちの理性を焼いてしまいただの性欲の塊になっていた。そのせいで記憶できていなかったのだろう。ただあの時からさほど時間は経ってはおらず、発情の状態は続いており、誰しもが股間を濡らして少々の羞恥心を感じていた。 「団長……。これはまずいのでは……」  運ばれている者の中にチサトはいた。チサトの後ろにはキサラがおり、キサラもほかの精鋭と同様、なぜこの状況になっているのかは理解していなかった。  しかし、チサトは最後の絶頂の瞬間、暴力的な快楽を一瞬だけでも感じており、あれで気絶したのだと予想がついていた。さらにはあの時の光景をしっかりと覚えている。彼女の強靭な精神力が強力な発情状態を、確かに流されてしまった部分もあるが耐えていた証拠だった。 「あぁ……。確かにまずい……。何をされるかはわからないが我々は抵抗ができない」  今はまだ強気のものが多い。彼女の前方と後方から怒気が混じった声が聞こえてくる。だが抵抗できないという、小さな恐怖を一度感じてしまえば弱気になるものも出てきてしまう。  さらには恐怖は伝播する。  いかに精鋭といっても、自分が何をされるかわからない状況に不安を感じない者はいない。不安がる声は小さいものだが確かに周囲に影響を与え、白布に垂れたインクがにじむようにゆっくりと小さな恐怖という毒が広がっていく。 「いざという時に抵抗できるように心を平静に保て。それが我々にできる最上だ」 「……了解」  チサトとキサラは少しずつ、少しずつ前方へ運ばれていく。運ばれていくほど、前方と後方から聞こえていた強気の声、その内前方からの声がぱったりと聞こえなくなった。 「ひっ……!? いやいやっ!! あんな風になりたくない!!」 「やだぁっ……!! 開放して!! 私を開放してぇっ!!」 「クソぉ……!! 外れろ外れろぉっ!!」  代わりに恐怖の叫びが聞こえる。怯える叫びが聞こえる。  彼女たちの目には何が映っているのか。  凄惨な拷問か。  それとも処刑か。 「団長……」  キサラが強い不安の籠った声でチサトの名を呟く。  再三いうが彼女たちは精鋭だ。最初期に不安を抱くどんな状況でも心が折れないように厳しく、実践と見まがうかのような訓練を超えてきた。  そんな彼女たちが、同僚たちが激しい恐怖に囚われ、怯えきった声で叫んでいる。  キサラが強い不安を感じるのも無理からぬことだった。 「心を平静に、だ」 「……はい」  チサトは恐怖を感じていない。ただ一心に、隙を見つけたら反撃するという思いを抱いていた。   「やだぁ……っ!! 狂いたくない!! 狂いたくない!!」 「私も……あんな風になっちゃうの……。いや……、いやぁ……」 「アタシは……耐える。絶対、絶対、絶対、絶対、絶対……」  2人が前に進む度に恐怖の叫びは大きくなり観念の呟きも交じり始めた。  そして……ついに2人はなぜ彼女たちがここまで心を乱していたのか、その原因を目のあたりにする。 「なに……これ……?」 「なん、だ……?」  狭い通路が終わると、そこそこ大きな空間が広がっていた。天井と地面からは10mほど離れている。彼女たちを運んでいる触手が移動している窪みはこの空間の先にもある。  その空間、部屋の中央には縦横5mほどの大きな桶のようなものが鎮座していた。白い材質でできたそれの中は、濃いピンク色のどろりとした液体で満たされており、それが蒸発して部屋中に満たされている濃い甘い匂いを2人の鼻孔をくすぐった瞬間、キュンッと子宮が強く疼いた。 「く……は、ぁ……♥」 「これは……くぅ……♥」  あの時のような意識が朦朧とするような強烈な発情ではないしろ、確かに彼女たちの肉体は性的興奮を覚え、股間をトロトロと濡らす。 (くっ……。シャドウは我々に何をするつもりなのだ!! まさか……、娼婦として売るつもりか……!?)  チサトは気絶する際と現状を考え、シャドウが彼女たちに性的な何かをしようとしていると当たりをつけた。  そしてそれが、娼婦として売りに出そうとしているのではないかと思ったのだ。 (ふん……。せいぜい楽しみにしておくことだ。自由になった瞬間、必ず報いを受けさせてやる)  そう思った瞬間、彼女たちの斜め前にある桶に天井から触手が伸び、数秒ほどすると何かを持ち上げてきた。 「なにを……されたのだ……」  何か。それは人間だった。それは女性だった。  落とす直前と同じように背中に腕を回されて拘束された状態で、何故か顔を別の触手が持ち上げていた。  チサトはそれが誰だか分かった。数人ほど列が続いているが、下から上へと持ち上げられる際に顔がちらりと見えたのだ。  彼女はミズキと言って、夫と子を一人持つ20代中盤の優しい性格をした女性だった。いつも腰まで伸ばした黒色の髪をポニーテールに結んで、その優し気な笑みは城下町の人々にも人気があった。  そんな彼女は今、ポニーテールを解かれていた。桶の中を満たしていた濃いピンク色の液体は彼女の肉体をドロドロとゆっくりと垂れ落ちており、液体の絡まった長髪が背中や腕にへばりついている。股間、そして尻穴からはぶびゅぶびゅとピンクの液体を噴出し、全身はビクンッビクンッと強く痙攣している。  何よりも、その顔だ。  城下町の人々が慣れ親しんだ、優し気な笑み。  そんなものは欠片もなかった。  笑みは確かに浮かべているが、それは快楽に染め上げられた悦びの笑みだった。  口からはデロンと舌が飛び出ており、舌先からは唾液とピンク色の液体が混ざった粘液がドロドロと垂れ、鼻からは鼻水を流している。思いっきり目じりを下げた半目の中にある瞳は完全に裏返っており、意識の光を完全に失っていた。  あまりにも無様で下品で浅ましい顔だった。 「へひっ……へぇあぁぁ……♥♥へっ、へっ、いひひ……♥いひぃ……♥♥」  まるで狂ってしまったかのように、ミズキは口から涎をトロトロと垂らしながら奇妙な笑い声を漏らすだけ。  そんな状態の彼女を桶の中から引っ張り出した触手は、わざわざ次に桶に落とされる者へと見せてくる。  次はお前がこうなるのだぞ、と現実を突き付けてくる。  次を待つ者に気丈な態度はなく、こうやって順番を待つ者の心を折り続けていたのだ。  我慢強さも、精神の強さも関係ない。  ただ快楽に屈服するのみ。 「やだぁ……助けてぇ……。誰か助けてぇ……」  そう懇願する順番を待つ女性の前で、ミズキの頭上から触手が天井から伸びてきた。先っぽは壺口状でミズキの頭に近づき、彼女の顔を上げていた触手が離れるとグパッと壺口を大きく広げて彼女の頭を丸のみにした。  ビクビクと今だに肉体を痙攣させたまま、四肢だけが力なくだらんと垂れて揺れる。  そしてミズキは奥の通路へと運ばれていくと、順番を待つ女性を拘束している触手が前へと動いた。 「嫌嫌イヤイヤイヤーーーーーっっ!!!! 助けてっ、お母さんっ、お父さんっ!! 嫌だっ!! あんな風になりたくない……!! なりたく——」  恐怖で顔をゆがませ、首を振る女性は桶の下まで運ばれると、無情に桶へと落とされた。 「イヤーーーーーーーーーーッッ!!!!」  ——ドボンッ!!    叫びながら桶へと落とされた女性。ブクブクと泡が浮かんでは消え、浮かんでは消えるが、やがて泡が浮かばなくなった。  そして5分ほど経つと、ミズキと同じように彼女を触手が持ち上げてる。しっかりと顔を次の順番を待つ女性に見せるように。 「あひゃぁ……♥えひっ……あ~~~……♥いひ~~~♥♥」  桶へと落とされる前までの恐怖に歪んだ顔はない。その顔は下品なアへ顔へと変貌し、錯乱の笑みを浮かべている。身体をガクガクと激しく震わせ、尿道からはちょろちょろと潮を漏らしていた。 「なんとう……惨いことを……」  あまりにも恐ろしい光景の連続に、チサトも顔が恐怖に慄いていた。  だが、まだ心は折れていなかった。  この部屋に、桶の寸前まで誰しもが持っていた、絶対に耐えて見せるという強い思いをチサトは抱き、頭だけ触手に包まれて運ばれる女性を遠目で見ながら自らの順番を待つ。  ヒナ。桃色の緩いウェーブのかかった長髪をした、大きなヒップに大きなバストをもった女性で、妖艶な笑みを浮かべながら肉体を用いて男たちをからかい、金を貢がせていた最低な女騎士。  ツムギ。背中まで届く長髪でオールバックした、規律を重んじる義理堅い女性で、キリッとした中性的な顔つきで同性からもモテてており、大きな胸を持っていて男たちからも人気であった。  メイ。ウルフカットでぱっつん前髪にした、精鋭の中では最年少の18歳の女性で、幼さの残る笑みが後輩先輩関係なく愛されていたが、幼さが残る顔つきに不満を持っていた。  妖艶な笑みも、キリッとした顔も、幼さの残る笑みも……。誰しもがその顔を浅ましく下品に歪ませ、その尊厳を破壊されていた。 「ついに……、私か……」    そしてついにチサトの番がやってきた。  目の前にはヒナがアへ顔のまま触手に顔を包まれて宙へと吊り下げられ、奥の通路へ連れていかれていく。 「団長……」  キサラが震える声でそう呟くのが聞こえる。  不安と恐怖に支配されているのだろう。  チサトはキサラを安心させるために後ろを振り返る。  自信に満ちた笑顔を浮かべて。   「他の者には悪いが、私はあんな無様を晒すつもりはない。安心しろ。私はお前に何事もなく姿をさらす。そうしたらお前も耐えられるだろう?」 「だん、ちょう……」  わずかな視界から見えるキサラは全く安心した様子はなかった。  それだけ心を折られている証拠だった。  団長の威光などこの場では空虚なもので、キサラも後に続く精鋭たちも誰一人、団長であるチサトが無様を晒さないなど信じられなかった。 「さて……」  触手が動く。  チサトが桶の真下まで移動させられる。  触手が腕の拘束を解こうとした時、チサトは息を大きく吸って叫んだ。   「私はムラサメ王国、警察騎士団団長チサト!! どんな苦難も、逆境も我が忠誠心と不屈の心で乗り越える!! シャドウよ!! 私を舐めるなよ!!」  それは自分への鼓舞であり、シャドウへ忠告だった。  こんなもので女性を好き勝手にできると思うなよ、という宣言だった。  そして……、チサトはピンク色の液体が満たされた桶へと落とされた。    (なん、だ……!? これは……!?)    まず感じたのはドロリとした液体で肉体が包まれる感触……ではなかった。 (熱い熱いっ熱いッ熱いッッ……!!)    急激に熱くなった肉体の感覚だった。  一瞬にして肉体は火照り、肌で感じるドロッとした感触が全身をゾクゾクと震わせる。  ピンク色の液体の正体は、肉体改造液だ。しかもその濃度はシホやアオイに使われていた液体の数十倍だ。  勿論、短時間での肉体改造にはデメリットがある。それは上がる感度もシホやアオイと比べものにもならず、狂ってしまうほどの快楽を感じてしまうのだ。この桶から吊り上げられた女たちが壮絶なアへ顔とともに薄気味悪く笑っていたのは、脳が処理できないほどの快楽を味わってしまったからだった。 (全身がオカシイ!? 私の身体が私のモノでなくなっていくッ……!! これはマズイ……!!)  感度がどんどん上がっていく。桶から浮き上がろうと液体を掻く動作をするだけで全身から甘い電流がビリビリ奔り、力が抜けていく。  たった数秒で自分の肉体が作り変えられていく現実に、さすがのチサトも焦ってしまう。  そしてそんな彼女に、桶の周りにあるいくつもの穴から触手が生え……。 (——んっひぃいいいいいいいいいいいいいっっ♥♥♥)    チサトに襲いかかった。