BGM:Bleeker Street Blues 配信画面、概要欄、原典配信オマージュで。 OPトーク。 「これは、わたしとあなたの宿命の物語だ」 新クトゥルフ神話TRPG 『カタシロ+s [カタシロエス]』 ※sはstartであり、カタシロを複数形にする行為であり、特異点(=シンギュラーポイント)でもあり、scenarioでもある。 ※創作論、TRPG論、シナリオ論、メタシロ。 ■導入 BGM:Discovery あなたは目が覚めると病室のベッドにいた。いや、正確には手術室だ。頭痛がひどい。体が思うように動かない。 さて、あなたはどのように痛がりますか? そこに男の声が聞こえる。 声の方を向くと、スクリーンの向こうにシルエットが見える。 ※シルエットは大庭療治を彷彿とさせる姿をしている。 「気がついたようだね。私は医者だ。君は落雷に遭って病院に運ばれた。覚えているかい?」 〈アイデア〉に成功した場合、強い光を浴びた記憶がある。だがそれ以前の記憶はない。 社会的に生きるための記憶以外、全て忘れていることに気がつく。 あなた自身に関する記憶が抜け落ちているようだ。 「名前は? 家族は誰がいたかなんかは覚えているかい?」 「君自身に関する記憶を失ってしまっているようだね」 「ずいぶんと長いこと意識を失っていたからね。無理もない。検査が必要だな。体も本調子ではないかもしれないが、しばらくすれば動けるようになるだろう」 「記憶も、問題ない。かならず近いうちに戻る。約束しよう。私は名医なんだ」 「数日は様子を見たほうがいい。3日間はここにいてもらう」 「ここは手術室なんだが、他に部屋がなくてね。物々しくて申し訳ないが、ここで過ごしてほしい」 ※医者は名前を聞かれると、「私は蛇崩だ」と答える。 ※姿を見せろというと「それはできない」と答える。「今はまだ」 状況の説明が済んだら、医者は探索者とおしゃべりがしたいと提案する。記憶を取り戻すきっかけになるかもしれないというのだ。 ■ウルタールの玉手箱 (元ネタ:シュレディンガーの猫) 君は、『ウルタールの玉手箱』という寓話を知っているかい? あるところに、大事な飼い猫が行方不明になって悲しみに暮れていた男がいた。 彼はある夜、夢の中でウルタールという猫だらけの世界に迷い込んだ。 猫を大事にしていた男はその町の猫たちから歓迎され、夢から覚める間際に猫の長老から玉手箱を貰った。 目が覚めた男は、夢の世界から持ち帰った玉手箱の中から愛おしい飼い猫の声がするのに気がついた。 男は、狭い箱の中に閉じ込められた猫を出してあげようとしたが、その箱には以下のような注意書きがされていた。 この箱の中は夢の世界。生者と死者が重なり合わさった不確定な世界。 蓋を開ければ夢はさめる。あなたの観測により生者か死者かが確定する。 さて、君ならこの玉手箱を開ける? 開けない? ※理由やその判断に至る思考を聞きだす。 (蓋を開けると答えた場合) では、現実を観測しよう。ダイスロール。 choice[生,死] →おめでとう。君の猫は生きていたようだ。 →残念だが、箱の中の猫は死んでいたようだ。 今、どんな気分だい? ※この問いかけは、息子を救うために「観測者」とならなければならない最後の決断に関わっている。 ※医者ならどうするかと答えれば、「開ける」と答える。理由は狭い箱の中に閉じ込められている猫は、真の意味で生きているとは思えないからだ。 ※ちなみに出典元の寓話(架空のもの)では、男が箱を開けたか開けていないかすら観測できないまま、読者の想像に任される形で物語が終わる。 ■1日目:調べられるもの BGM:Rewired 探索者は今、手術室のベッドの上にいる。体が重い。 手の届く範囲であれば、気になったものを調べることができそうだ。 ○ベッドサイドモニタ ベッドの傍には、医療機器と思しき装置がある。 画面には100%という数字が表示されている。 何を表す数値だろうか? なんらかの機械に接続するであろうコードが伸びている。 ※現在はどこにも繋がっていない。 (技能成功で) モニターには不気味な言語により「送信完了」を意味する言葉が表示されている。 (失敗で) モニターには何かしらの文字と思しき表示がされていますが、その意味を読み取ることはできません。 ※この装置は脳缶に接続して脳の記憶を読み込み・送信する危機だ。 ※コードは脳缶(ミ=ゴ製)に接続できる他、現在の蛇崩の体の首筋に開けられているジャック穴にも差し込むことができる。 ※100%は送信完了であるという意味。送信されたのは蛇崩の記憶だ。 ※不気味な言語はユゴス星の言語。〈クトゥルフ神話〉技能を高いレベルで持つものなら読める。 ○石 ベッドのそばにある台の上には、美しい石がはめ込まれたペンデュラムが置かれている。 (技能成功で) その傍らには、不気味な言語によるメッセージが添えられている。 「これを貴方にさしあげます。きっと必要になるはずだから」 ※精一杯しまどりるさんっぽい喋り方で読み上げる ※石の材質は「薄明石(インクアノライト)」。 ○箱 蓋にはこう書かれている。 ------------------- この箱はウルタールの玉手箱。 中は可能性が重なり合わさった不確定な世界。 君が蓋を開けるまでは。 ------------------- ※すぐ蓋を開けなくてもいい。 (蓋を開ける) 奇妙な銀色の筒が2本納められていた。 うち1本には、人間の脳が入っている。 ※説明文にはのせないが、イラストでは2本のデザインが微妙に違う。 ※脳が入っている方はアキラくんシリンダーそのまま。蛇崩製。 ※もう1本はミ=ゴ製。もっとシュッとした異星人のテクノロジー感があるもの。ジャック穴が空いている。中身は空。(もともと蛇崩の脳が入っていた) ■アキラとの会話 BGM:No.7 Alone With My Thoughts ※このアキラは蛇崩の記憶が作り出した幻影で、実際には存在しない。 ※このアキラは「暗い部屋の中に閉じ込められていて不安だったが、お父さんが近くにいるなら安心」と思っている。 ※このセッションの探索者蛇崩は数年間被検体を調べ続けていた期間を経験していない。なので、アキラはかなり幼い。 ・誰かいるの? ※怯えた声で ・え……その声、お父さんだよね? ・ぼくだよ、アキラだよ! (※声はどこかなつかしい、聞き馴染んだような感じがする) ・覚えてないの……? もしかして、きおくそーしつ? ・かみなりにあったの……!? 大丈夫? 身体いたくない? 平気? ・お父さん……ぼくこわいんだ、この部屋真っ暗で、体もぜんぜん動かせないんだ。 ・でも、ここが病院で、近くにお父さんがいるって分かったから、いまはちょっと安心。 ・ぼくがわるい子だったから、ゆーかいされて、閉じ込められちゃったのかなっておもってた。 ・わるい子だよ……おしごとでお父さん忙しいから。だから、お父さんを忙しくしちゃう病気の人なんてみんな死んじゃえばいいのにって、そう思っちゃったから。 ・ごめんね、お父さん。 ※隣の部屋に行こうとすると、〈CON〉ロールが発生する。現在の体力であれば、ハード成功以上で扉までたどり着ける。 ※しかし、扉には鍵がかかっている。 一通り話が終わると、隣の部屋からかすかな寝息が聞こえる。疲れたのか眠ってしまったようだ。 ※蛇崩が「おやすみ」と言ってくれるといいな。 それから少しして、あなたもまた強烈な眠気に襲われる。まだ体力が戻り切っていないようだ。泥のように眠りに落ちていく。 ■二日目 目が冷めた。探索者は相変わらず手術室にいる 昨日より、だいぶ身体の具合がいい。痛みも収まり、少しなら身体を起こして動くことも可能そうだ。 ※視覚異常はおきない。奴らの技術は完璧だからだ。 ※アキラの話を振ると、医者は話を合わせる。しかし医者は、それが蛇崩の幻覚であることを知っている。 ・具合はどうだい。そうか、調子がいいようでなによりだ。 ・隣の部屋……? ああ、人が。 ・ちなみに、どんな会話をしたんだい? ・そうか……隣の部屋にいるのは、君の息子だったのか。なるほど。 ・息子さんに関する記憶は? ※ない ・いや、心配ないよ。隣の部屋にいるのが本当に君の息子さんかどうかはさておき、私はこの病院の中にいる誰にも危害を加えるつもりはない。当然だろう、私は医者だからね。全ては救いたい対象さ。 ・……部屋は開けられない。まだ、ショックを与えるわけにはいかない容態なんだ。もう少し、安静にして様子をみなければならない。 ※蛇崩のこと 今日も、君と話してみたい話題を持ってきたよ。 君、SFは好きかな? いや、好きなんじゃないかと思って。好きそうな顔をしている。 ……冗談さ。昨日の話で「シュレディンガーの猫」という単語が出たからね。もしかしてと思って。 君は『銀の鍵』という小説を知っているかな? H.P.ラヴクラフトという小説家が残した創作だ。 ■『銀の鍵』の“門”によるタイムリープ問題 (元ネタ:エヴェレットの多世界解釈、シュタインズ・ゲート、親殺しのパラドックス) その小説の中で、窮極(きゅうきょく)の門と呼ばれる存在が登場する。 これはまあ……宇宙空間にポッカリとひらく穴みたいな物なんだが。 この門は、どうやら過去と繋がっているらしいんだ。 もし君がSF好きなら「タイムトラベル」という単語が浮かんだんじゃないかな。 だが残念。この門を形ある者が通り抜けると無事ではすまない……おそらく、ものすごい引力に引っ張られてグチャグチャになってしまうとか、そういう感じだろう。 しかし、とあるSF好きが考えた。 この門を使って擬似的にタイムトラベルを行う方法がある、と。 自分の記憶をデータ化し、そのデータを門を通じて過去の自分の脳に送信・上書きする。 すると今の自分の記憶を持った過去の自分ができあがる。 さて、この方法で時間移動を成し遂げた際、どういうことが起きると思うか。 君の想像力によって自由なイメージを繰り広げてみてほしい。 ※タイムパラドックスや、多世界解釈について触れられるだろう。 ※どういう想像をふくらませるか。物語的な見方がされるとさらに面白い。 ※話の展開次第では、「そういうリスクがあるとして、君ならどういった理由や目的でなら、このタイムリープを行う?」とか聞くか……? でもちょっと直接的すぎるし踏み込みすぎだと思ったら引く。 ■2日目:調べられるもの BGM:Glass  探索者は今、手術室のベッドの上にいる。相変わらず体は重いが、昨日よりも動けそうだ。  少し歩いて、気になったものを調べることができるだろう。 ○資料 無数に散乱したロール紙には、膨大な数の人物名と、2種類の数字の羅列が示されている。 数字はそれぞれ「適性率1」「適性率2」と記載されている。 (技能成功で) ロール紙の一部に、不気味な言語による以下のような走り書きをみつける。 「以上4,415人の被検体たちの中で、両方の適性が閾値である90%をこえる例はひとつも無かった」 (失敗で) ロール紙の一部に、走り書きを見つける。しかし、それは不気味な言語により書かれており、意味を読み取ることができない。 ○本 資料棚の傍には、奇妙な装丁の分厚い本が置かれている。 何が書いてあるのか全く判別がつかない……。 (技能成功で) 複雑な記述様式や、図の恐ろしいまでの精巧さから類推するに、 なんらかの人智を超えたテクノロジーについて記載されているようだ。 この本を読み解くためには、〈クトゥルフ神話〉技能が必要になる。 ■アキラとの会話 ・お父さん、起きてる? 体のぐあい、どう? ・よかったぁ。記憶は? ぼくのこと、思い出した? ・そっか……でも、きっと大丈夫だよね。だって、お父さんはのーしんけーげかのめーいだもんね。自分の記憶も、自分でなおせちゃうよね。 ・ねえ、お父さん。ぼく考えたんだ。お父さんが忙しくならないように、病気の人にみんな死んじゃえって思うんじゃなくて、みんな元気になれって思えばいいんじゃないかなって! そしたら、病気の人がいなくなるのはいっしょだし、こっちのほうがずっといいとおもうんだ。 ・だからね…………ううん、なんでもない。 ※ぼくも医者になる、という言葉を飲み込む。 ・ねえ、お父さん。早く顔がみたいよ。 ・(眠そうな声で)明日元気になったら……いっしょに、あそんでね……。 一通り話が終わると、隣の部屋からかすかな寝息が聞こえる。疲れたのか眠ってしまったようだ。 ※蛇崩が「おやすみ」と言ってくれるといいな。 それから少しして、あなたもまた強烈な眠気に襲われる。まだ体力が戻り切っていないようだ。泥のように眠りに落ちていく。 ■3日目 目が冷めた。探索者は相変わらず手術室にいる かなり身体の具合がいい。 ・おはよう。体の具合はずいぶんと良さそうだね。 ・あとは、記憶を戻すだけだ。 ・おそらく、今日が最後のおしゃべりの時間になるだろう。 ・治療という面は抜きにしても、私も君という人物について深く知りたいと思っている。存分にお喋りをしようじゃないか。 ・今日の話はシンプルだ。 ■イス人の精神交換のパラドックス 他者と精神を交換できる、イス人という異星人がいる。 あるAというイス人が、Bという地球人と精神交換した。 しかしその直後、イス人……つまりBの精神とAの身体を持つ人物が、何者かの襲撃を受けて殺されてしまった。 この場合、死んでしまったのは誰で、生きているのは誰だと君は考える? (答えた) 追加で質問したい。ここで行われるのが精神の交換ではなく、「上書き」だったらどう思う? つまり地球人Bは、イス人Aの精神を上書きされつつも、断片的にBとしての記憶の欠片なども保有している場合だ。 この場合、BはAたりえるのだろうか? ■3日目:調べられるもの ○扉 隣の部屋に続く扉。 前日までかかっていた鍵が開いている。 (アキラと会話する場合) ・お父さん、もう動けるようになったの? ・よかったあ! ねえ、はやくこっちにきて! ・本当は、ずっと真っ暗でこわくてしょうがなかったんだ! 隣の部屋には、「何もない」。 ベッドも、そこに横たわる人の姿も、なにも。 立方体の部屋の中には、がらんどうの空間だけが静かに広がっている。 では、昨日まで君に話しかけてきた声はいったい誰なのだろうか。 自分の息子だと名乗る“アキラ”はいったいどこにいるのだろうか。 理解し難い状況に直面したあなたは、〈アイデア〉ロールを行ってください。 ※BGMチェンジ (成功した) その瞬間、あなたは記憶を取り戻します。 あなたの記憶を……意識を失う最後の瞬間の記憶を。 あなたの息子、アキラは事故にあいました。 体の原型がとどめられないほどの重傷を負っていました。 なんとか脳だけでも保存できないかと考えたあなたは必死の思案の末に、かつて目にしたことがあった、おぞましく理解し難い、オカルトじみた異星人の技術に関する研究資料を思い起こします。 息子の命が失われようとしていく中で、がむしゃらなあなたの脳細胞は極限の回転を始め、気がつけばありあわせの機材で不格好にもその技術を再現することに成功しました。 ※ここでアキラくんシリンダーを表示する。 ※同時に蛇崩の姿の表示もONにしておくこと。 (箱をあけている) あなたは思い出す。 あの箱の中にあった、脳の入ったいびつなシリンダー。 あれこそがあなたの息子であり、君が……君自身の手で作り上げた「器」であると。 これら人の理解の範疇をこえた記憶や知識を取り戻したあなたは、〈正気度〉を失います。 さて、あなたの現在の〈正気度〉はいくつでしょうか。1D100でロールしてください。 では、貴方は〈クトゥルフ神話〉技能を**取得していますので、正気度の最大値は**になります。 現在の〈正気度〉は**です。 では〈正気度〉ロールをどうぞ。(1/1D10) ※正気度の減り幅によっては狂気の発作(リアルタイム)の処理も行う。ルールブックp153。 ▼以下をチャパレに貼る CC<=91 〈クトゥルフ神話〉 しかし、あなたの記憶はそこで途切れています。 シリンダーを作り上げた直後、強い光を浴び、体に激痛が走る。そしてあなたは意識を失ったはずでした。 ※アイデアロールに失敗した場合、これらは後にミ=ゴの口より語られる。 ■ミ=ゴ登場 背後から医者の声が聞こえる。 「思い出したかい、君自身の記憶を」 スクリーンごしの姿は相変わらず表情がよみとれないが、今ならそのスクリーンを剥がしてその姿を見ることも可能だろう。 ※医者を名乗るその男のおぞましい姿を見た探索者は〈正気度〉ロール(0/1D6) ・どこから説明をしようか。まずは君がどこまで思い出し、どこまで今の状況に対して理解が及んでいるのかを聞かせてほしい。 ・蛇崩。私は君に興味を持った。地球人の身でありながら、我々の技術を理解し、ありあわせの素材で不完全ながらも「シリンダー」を再現してみせた君という存在のことを深く知りたいと思った。 ・だからね、申し訳ないが、君の脳を拝借したんだ。君の脳を摘出し、我々の用意した完全な「シリンダー」に納め、そしてその記憶や人格を抽出し……そのデータを私に上書きした。 ・そうして私は君になった。 ・正確には君自身になったわけではなく、私という新しい「蛇崩」になったという方が適切だろう。 ・自分の中に新たに芽生えた……いや、“思い出した”感情に、私は突き動かされた。 ・私の大事な息子……アキラを救いたいという感情にだ。 ・我々のテクノロジーで人体と寸分違わぬ人形を作り、その体にアキラの脳を移植しようとした。だが、できなかった。シリンダーに収めるまでに時間がたちすぎており、上手く順応してくれなかった。 ・ここから先、私がどのような発想・どのような行動に至ったか……同じ「蛇崩」である君なら、想像できるんじゃないかな。 ・あれから数十年たった。私は無数の被検体を検査し、適合者を探した。だが見つからなかった。 ・私はまだ耐えられる。だが、アキラの脳が限界だ。 ※箱オープン。真実の姿の脳缶を表示。 ・神経の劣化が始まり、加速している。時間がもうない。 ・この状況を打開するために私は今、ある選択を迫られている。 ・しかし、そこでふと思い至ったのだ。私はこの衝動の「オリジナル」に、是非を問うべきではないだろうかと。 ・私は「蛇崩」だ。アキラの父親で、脳神経学の名医だ。私はそう信じている。しかし私は知っている。この人格のオリジナルは私ではない。これはインストールされた人格をロールプレイしているに過ぎない。オリジナルは、君だ。 ・この重大な決断を、オリジナル抜きに行ってはならないと、そう思った。 ・だから目覚めてもらったのだ。保存していた君の脳を人形の体に移し替え、君の意思を問うために。 ※スポットライト切る。 ・4000人をこえる被験者を探して、適合者が見つからなかった。ならば、4万人探すしかない。4万人探して見つからないならば、4億人探せばいい。確率は極めて低いものの、ゼロではない。きっと見つかるはずだ。アキラを救うにはそれしかない。 ※情報が出てない場合、4415人という数字はここで出す。 ・この時間軸、この世界線のみでそれを成し遂げる術はない。……だが、それを可能にする手段を、私は持っている。 ・二日目の思考実験を思い出してくれ。小説『銀の鍵』に登場する窮極の門……あれは実在するんだ。そしてそれを利用したタイムリープも可能だ。その儀式を行うための材料が、この部屋の中に揃っている。 →〈クトゥルフ神話〉技能を持っている状態で調べると、一部オブジェクトから追加の情報が出る(エルダーサインのオブジェクト表記に変わる) では、最後の探索です。 人智を超えた知識を思い出した君には、今いくつか部屋の中で気になるオブジェクトの追加情報を調べることができるようになっていることでしょう。 ■最後の探索 BGM:ElasticVibe ------------------------ ○ベッドサイドモニタ →【記憶情報転送器】 脳缶、および“人形”の首筋のジャック穴に接続して、 人の記憶情報を抽出・転送する機器。 (技能成功で) ※〈精神分析〉ならボーナスダイス+1 抽出できる記憶データは完全ではない。 電子データ換算で3.24TB程度の情報量が上限だ。 ○ペンデュラム →【インクアノクの縞瑪瑙】 宇宙空間にある「窮極の門」と接続する 情報通信媒体。 (技能成功で) ※〈クトゥルフ神話〉ならボーナスダイス+2 レン高原と呼ばれる地方で産出される希少鉱石。 近年、南極最奥地でも発掘されたという噂がある。 別名「薄明石」。 ○本 →魔道書『キーパー・オブ・アーケイン・ロア』 「隠された知識を守るもの」の意を持つ魔道書。 (技能成功・あるいは時間をかけて読むと) 呪文《次元超越憑霊観測儀式カタシロ》を取得。 //////////////////////// ※蛇崩のチャットパレットに以下の呪文をコピペする 呪文《次元超越憑霊観測儀式カタシロ》 “門”を通じて記憶を過去へ飛ばし、自身と同一の存在に憑霊させる儀式魔術。そこから先、どんな現象が起きるのかは予測不可能だが、呪文の使用者はその全ての現象の観測者となる力を得る。 使用には記憶をデータ化する技術と、「窮極の門」と接続する媒体が必要。 ※コスト:1D100の〈正気度〉、1D20のMP 儀式の実行:あなたの首筋のジャック穴に【記憶情報転送器】のコードを繋ぎ、【インクアノクの縞瑪瑙】を手に持って以下の呪文を唱える。 ダルブシ アドゥラ ウル バアクル イア イア ヨグ=ソトース 一にして全 全にして一たる戸口の守り人よ 門をひらきて 我を夢の観測者たらしめよ イア イア キーパー・オブ・アーケイン・ロア ------------------------ ※2つの思考実験が示す検討課題について、蛇崩の意思を確認するために問い直す。 ※ウルタールの玉手箱:無数の世界のアキラの生死、結末を「観測」するか否か。 ※イス人の精神交換:蛇崩の意識を上書きされた人物が蛇崩とは別の何かである可能性について。(目の前のミ=ゴも同様) ■儀式 儀式を行うかどうかは、PLの判断に委ねる。 ■エンディング 宇宙と、YouTubeで「カタシロ」で検索した結果のスクリーンショット、クラファンのページなどをモンタージュしたものをボカした背景を映して、「超越者」となった蛇崩のモノローグで物語を〆る。 ▼儀式実行エンド MPが0以下になると意識を失う。 ※正気度の減り幅によっては狂気の発作(サマリー)の処理も行う。ルールブックp155。 蛇崩の状態に合わせて演出を適宜変えるが、以下の描写を読み上げれるなら読み上げる。 -------------------------- 精神を摩耗したからか、あるいは狂気に侵されたからか。 あなたの意識はまるで電源を切ったかのように暗転してしまいます。 気がつくとあなたは目を覚まします。……ここはどこでしょうか。見知った場所でしょうか、知らない場所でしょうか。もしかしたら、どこでもないかもしれません。 あなたは記憶を取り戻します。いくつもの時間を繰り返し、いくつもの世界を渡り歩いたような……そんな記憶を。 いまだ現在進行系で、いくつもの世界が並行してこの物語の続きを紡ぎ続けているような、そんな感覚も、今のあなたにはあります。 果たしてこれは、次元を超越した観測者の記憶か、はたまた狂人の妄想か。 それが明らかになる日はくるのでしょうか。いずれにしても、「夢のような話」でしょう。 あなたのロールプレイでこの物語を締めたいと思います。 ▼儀式未実行エンド なんかする。それこそ即興。 とりあえずミ=ゴは謝る。勝手なことをした結果、アキラを救えなくて済まなかったと。 ミ=ゴは親心があり、積み重ねた時間があるので、アキラの脳缶を手放すことは躊躇する。 また、非情な現実を蛇崩に突きつけたことに関する罪悪感もあるため、記憶を消すことも可能だと伝える。 その上で、蛇崩の意思を尊重する。