1 全ての始まりは、あの日の新入生歓迎会だった。 ぎこちなさと期待感が入り混じった空気。 騒がしい声。 そして、テーブルごとに置かれた安酒。 2 ふと、喧騒の真ん中にいる彼女が目に入った。 同じ学科の同期ということは分かるが、 俺のように存在感が薄かったこと以外は何も知らなかった。 3 立て続けの罰ゲームで顔はすでに真っ赤に上気しており、 場の空気を壊す勇気はなく、困ったような笑みを必死に浮かべている。 彼女の手には、次の罰ゲームの酒がなみなみと注がれていた。 4 なぜそうしたのかは今でも分からないが、 いつの間にか俺は彼女の手からグラスを取り、 5 一気に飲み干していた 6 安酒から感じるアルコールの苦い感覚よりも、 驚きと感謝が入り混じった彼女の表情が、 俺の心臓を速く鼓動させた 7 俺たち二人の関係を勘違いしたのか、 その後も先輩たちの猛攻が続き ゲームに負けるたびに注がれる酒を黙って飲み干していった。 8 しかし体は正直で 限界を超えたアルコールに視界がかすみ、世界が逆さまに回り始めた。 次の一杯で意識を失ってしまうと思った時、 9 ??:「おい、お前らまだ飲んでんの? ??:「明日約束あるの忘れたのか?」 10 ??:「あ、すみません!」 ??:「俺たち、明日大事な用事があるので先に失礼します!」 11 彼女と俺は、誰かに連れられて居酒屋を出ることになった。 13 ジン:「いやあ~なんかお前ら、」 ジン:「ほっといたらヤバそうだったからさ」 14 正気を取り戻すと目の前に見えたのは、 大学での唯一の友達、ジンだった 15 考えるより言葉が先で、 場のノリと主導権取らないと気が済まない、 俺とは正反対のタイプ 出会った当初はいけ好かない奴だと思っていたが、 いつの間にか一番親しい友達に収まっているのは妙なものだと感じた 16 ジン:「ええと、そっちは……」 ゆみ: 「ゆ、ゆみです…」 ゆみ: 「お二人とも、さっきは…ありがとう、ございました…」 ゆみ: 「その…知り合いがあまりいなくて…」 17 ジン:「えっ、マジ?」 ジン:「じゃあ、これも何かの縁だし、」 ジン:「ID交換しようぜ!」 ゆみ:「 えっ…」 18 ゆみ:「 はい…!」 こうして彼女と俺たちは、 窮地を脱するためだけの友達ふりでは無く、 19 本当の友達になった