団長であるチサトと精鋭たちがシャドウの罠に堕ちてからすでに2か月が過ぎた。  チサト同様、オークションで買い取られた精鋭たちは、ほとんどの者はそれぞれの主人から調教を施され、その心はチサトと同じように堕落させられた。民の平穏など頭の中にはかけらもなく、誇り高い騎士から快楽を得たいという、己の欲望にただただ忠実な存在へと貶めら、なり下がった。以前の彼女たちが今の自分たちを見れば憤慨するだろうが、当の本人たちからすれば快楽を知らなかった自分たちなど、この世の幸福のひとかけらでさえも手にしていない、哀れな存在だと言い放つだろう。  ちなみに、チサトと一緒に肉体改造と洗脳を受けた、キサラ、ヒナ、ツムギ、メイの4名ももちろん騎士から雌へと成り果てている。  キサラはノーマルだったのにレズへと調教され、ヒナはからベッドの中であっても男をからかうのが好きだったのに男へ従順な雌犬へと変貌し、ツムギはただ一人の男を愛していたのに複数の男を相手することに悦ぶようになり、メイは痛みと羞恥に快楽を覚えるドMの才能を開花させられた。  それぞれが調教によって己に刻み込まれ、または開花させられた、自分たちだけの快楽に浸り、幸福を感じながら日々を過ごしている。 「全員、集まったか」  朝、8時。  王都にいる警察騎士団300名が収容できる講堂に、シャドウの手に堕ちていない200名の赤い騎士服を着た騎士たちが集められており、横に20の列を作り、縦に10の列を作って規則正しく並んでいる。  講堂の奥には壇上があり、その上にある演台にチサトが立っていた。壇上の左右の控え場には少数の精鋭たちが待機している。 「近頃、ある犯罪組織が新たに作り出した、人を催眠状態へと陥れる恐ろしいモノを回収した。この音は10分ほど聞くだけで人を催眠状態へとするものであり、使用する前に何とか取り押さえたがすでに他組織に売られている可能性がある。その組織のものから聴取したところ耐性があるものには効かず、また耐性を得ることも可能だという」  チサトの話を聞いていた騎士たちは、最初は不安げにそして最後の言葉を聞いて安堵の表情を浮かべていた。 「我々は民を守る盾であり矛だ。騎士たる我々が催眠状態にされ民を襲ったとなれば、これまで我々が築き上げてきた民たちからの信頼は崩壊してしまうだろう。よって音への耐性を調べるため、そして耐性がないものは音への耐性を獲得してもらうために集めさせてもらった」  その説明に誰もが頷き、ほとんどの騎士たちがこのような恐ろしく、また卑劣なモノを作り出した犯罪者たちに怒りを抱く。   「音を聞くだけなので大きくなければ私語を許可する。10分経ったら合図するので何も変化が起きないものは手を上げろ。それでは流すぞ」  そうチサトが言って数秒後、キィィィィィン……と耳をつんざく音が講堂中に響き渡った。 「何よこれ、不快な音ね」 「確か……に」  誰もが耳奥に響く不快な音に顔をしかめる中、2人の騎士も耳を手でふさぎたくてたまらない意思を抑えて、流れる音を聞く。  2人の騎士のうち、一人は背中まで届く赤髪をポニーテールに結び、横髪や前髪も長い、周りの基本的には短くまとめられている騎士たちに比べれば女性らしい髪型をしていた。体付きも引っ込むところは引っ込み出るところは出ている魅力的な体つきである。物怖じしない性格で、何か間違っていると感じたらそれが上司であっても、暗黙の了解であっても遠慮なく非難する。  名前はイロハ・トオエという。  もう一人の騎士は、ボブヘアに緩いカールがかかっている髪型をした女性で、イロハと同じくらいの身長をしているが、その体つきはスラッとしたスレンダーな体つきである。何事にもあまり動じない性格であり、いつも眠気まなこで顔には感情を浮かべずに他人からは顔から感情を読み取ることはできず、必要最低限の言葉しか発さない。  名前はシヅル・リンドウといった。  この2人はお互いに25歳で性格は真反対でありながら幼少から付き合いのある親友であり、2人の息の合ったコンビネーションは幾人もの屈強な犯罪者たちを打倒してきた。 「どうしてこう犯罪者って卑劣なものを作るのが好きなのかしらね」 「好き勝手に……暴れたいか、ら……」 「自制心のない獣ってわけね。はぁ……、まったくイライラするわ。今日は捜査資料の整理を朝からするつもりだったのに。ねぇ?」 「イライラはしていな、い……。整理はまた別の日に……やればいい」 「というか、催眠状態なんて本当になるのかしらね。こんな音を聞いただけで」 「それは……これからわか、る」  他愛のない会話が続く。その間には音は流れ続け、イロハとシヅルは5分も聞けばその音に慣れ始め、とてもうるさいから少々うるさい程度まで不快度は下がっていた。 (特に意識が薄くなる……なんて違和感は感じないわね)  5分が過ぎ、6分が過ぎる。  イロハは特に自分の体調などに違和感を感じていなかった。ただ音に耳が慣れていくだけの時間が過ぎていく。 「もう少しでこの検証も終了ね。この後は……資料整理なんてする気分じゃなくなったからあの組織について捜査する?」  そうシヅルへとイロハは問いかけた。  しかしいつまでたっても返事がない。 「シヅル……?」 「……」 「おーい。聞こえてる?」  耳元で話してもシヅルは何も反応を返すことはなかった。  「まさか……」  イロハは身体を少し前に傾けてシヅルの顔を覗き込んだ。   「……」  シヅルは静かに正面を見つめていた。  口は半開きで、口端からわずかだが涎が線を引いて垂れていた。瞳は瞳孔が開ききり意思の光が消え、彼女の身体は微動だにしない。無表情であるが、シヅルの感情を読み取る自信のあるイロハでも今の彼女からは感情を読み取ることができず、イロハはシヅルがいつの間にか催眠状態に陥っていたことを悟った。 「いつの間に……」  イロハはそう呟いて後ろや正面、横の列を顔だけ列からはみ出して見渡す。  イロハの周囲の誰しもが、シヅルと同じように感情のない顔でぼーっと正面を見つめて突っ立っていた。  ただ、よく見れば後ろ列に1人、横列に1人、イロハと同じように列から顔だけを少しはみ出して、周囲の様子を見ている騎士がいるのが分かった。 (私とあの2人には耐性があるってことね。ほかにどれだけ耐性のある人がいるか分からないけど……、恐ろしいモノを開発してくれたわね。この検証実験がなかったら多くの騎士たちがただの操り人形になるところだったわ)  講堂中に鳴り響く音の中で小さく聞こえていた囁くような会話たちは今や一言も聞こえず、ただ不愉快な音が響くのみ。  そんな中で、これだけ少数しか耐性のないのかという不安と最悪の未来が回避されたことへの安堵を感じながら、イロハはただ時間が過ぎるのを待った。 「よし、10分が経った。催眠状態にないと自覚のあるものは手を上げろ」  チサトの声がまだ甲高い音が鳴る講堂に響いた。イロハは躊躇いなく手を上げ、周囲を見るとイロハを合わせて10人の騎士が手を上げていた。 「よし、手を下げて全員その場で待機だ。……行け」  壇上の左右の待機場にいた精鋭が動いた。その手にはヘッドバンドに左右の耳全体を覆う器具がついた道具——ヘッドホン——を手にしており、彼女たちは手を上げた騎士たちの元へと駆け寄っていく。  もちろん、イロハも元へも。 「これをつけてください」  ヘッドホンを手渡され、イロハは素直にそれをつけた。 (これは一体なんなのかしらね……? 音から守るための道具? それなら今、耐性のあると分かった私たちに配る意味が——)  素直につけたが、疑問が沸く。思考が走る。だが、それも一瞬だった。 「——お"っ♥♥」    耳全体を覆い耳に密着している器具から、まるで洪水のような音の濁流が流し込まれたからだ。  それはイロハの脳を激しく揺らす。   「ほにゅにょにょにょにょにょっ♥♥おぴぃっ♥んぴいいっ♥おっ、おおっ♥♥おっおっおっおっおっおっおっおっおっおっおっ♥♥♥♥♥」  口をおの字にしたイロハの口から間抜けな声がどんどん漏れ出す。  瞳は音が聞こえた瞬間に綺麗に裏返り、身体も直立不動の状態に硬直しながらガクガク揺れていた。  そしてそれはイロハだけでなく、ほかの催眠状態になっていなかった騎士たちも同様だった。手渡されたヘッドホンを耳につけたイロハを含めた10名の騎士たちが無様な声をあげている。   「ぴぎゅっ♥おっ、あっあっあっあっあっあっあっ♥♥あががががががががががががががっっ♥♥♥♥」 「にゅひひょぉおおっ♥♥おぷぃっ、おぴょぴょぴょぴょぴょぴょぴょぴょぴょぴょっっ♥♥♥♥」 「にゅにゅにゅにゅっ♥にゅふぅううっ♥にょにょにょっ♥にゅひぃいいいいいいっっ♥♥♥♥」    講堂に流れていた音は止まり、イロハたちの間抜けな声だけが響き渡る。ひっくり返った瞳は瞳孔がどんどん開いて彼女たちはビックンビックン身体を痙攣させる。下着はなぜかぐっしょりと濡れ始めるが不快感を覚える暇などない。  そんな中でチサトが口を開いた。 「今回は魔力波を利用した催眠の実験だった」  講堂に流された音の正体は魔力だった。魔力を高周波音として流し、脳に流れる魔力波を変化させて催眠状態にできるかという臨床実験だったのだ。催眠状態にさえなれば暗示を重ねていくだけで、騎士団は手中に入る。  実験を兼ねたこの国を支配する手順の一環であり、それは見事に成功した。  しかし、この魔力高周波音には魔力耐性のあるものには効きにくいという特性があった。それがイロハたち、催眠状態にならなかった10人である。そのような者たちに対して、シャドウのボスであるアシラが作り出したのが、彼女たちが耳につけたヘッドホンである。  あのヘッドホンには講堂に流した魔力高周波音の数十倍の魔力を込めた音が流れるようになっている。魔力耐性などいとも簡単に突破して、強引に催眠状態にし、さらには魔力耐性そのものを下げてしまう効果もある。  今、彼女たちはシヅルなどのほかの騎士と同様に催眠へ堕とされ、講堂に流されていた音で催眠状態にできるように変化させられているのだ。 「おっ……あっ……♥あっ……♥あぁ……おっ……♥」    奇妙な声をあげていたイロハの口も次第に半開きになって口数を減らしながら涎を垂らし、完全に瞳孔が開いた、ひっくり返った瞳からすぅぅっと意思の光が消えていく。身体は直立不動で硬直したままだが、肉体の震えは収まっていき、ブルブルと震えるのみ。 「もう聞こえてはいないだろうが、お前たちはシャドウのモノになってもらう。これはその第一段階だ」  チサトが手を軽く振ると、イロハたちの近くに待機していた精鋭たちが彼女たちからヘッドホンを外した。そして耳元でパチンと指を鳴らす。  すると瞳はただ茫然と正面を見つめだし、身体も弛緩する。  こうして警察騎士団は抵抗することなく全滅した。 「お前たちに暗示をかける。よく聞くように。私の言葉が分かったら返事をしろ」 「「「「「……はい」」」」」  一斉に200名の騎士たちが返事をする。その声には感情などなく、気持ち悪いくらいに落ち着いていた。   「よし。それでは騎士服を脱げ」 「「「「「……はい」」」」」  緩慢とした動作で誰一人例外なく騎士服を脱ぎだした。布の擦れる音だけが静かに聞こえ、やがてその音が聞こえなくなる。  そこにあったのは男からすれば絶景だった。  200名の美しき女たちが規則正しく、一糸まとわぬ姿で列を作っている。顔を赤く羞恥に染めることも恥ずかしがって肉体を隠す動作をすることなく、ただ淡々とその場に存在し、女の色香を十分に発していた。  イロハは後頭部で結ばれて垂れる赤髪を揺らすことなく呆然と立ち、男であればだれでも貪り着きたくなるような、大きな胸にくびれのある腰に大きな尻のした蠱惑的ともいえる肉体を惜しげもなく披露していた。  シヅルは元から感情の見えづらかった顔からさらに感情がなくなり、細く儚げに見える芸術ともいえる、膨らみの小さな胸やかわいい桃尻、スラリとした肢体を晒していた。   「私が数字を数え、0になって手を叩くとお前たちは発情する。身体は熱くなり、子宮が、マンコが、アナルが、クリトリスが、乳首が全身という全身が敏感になる」  誰もがその言葉に疑問なんて覚えない。ただ言葉を聞き、脳に刻む。  脳に刻まれた言葉は、魔力高周波音によって変容した彼女たちの肉体を巡る魔力波が、非現実とも思える暗示を現実へと押し上げる。 「10……9……8……体が熱くなる……」  ゆっくりと言葉を紡ぐ。 「7……6……5……身体が疼く、全身が疼く……」  染み渡すようにはっきりと言葉にして。    「4……3……2……感度が上がる……上がる……上がる……上がる……」  脳に刻む。刻まれた言葉が身体に変化を起こす。 「1……」  そして……。 「ゼロ」  ——パンッッ!!!!  音が鳴ったと同時にこれまで微動だにしていなかった騎士たちが小さく身体を震わせた。 「これを何度も繰り返す。お前たちの肉体を雌の肉体へ疑似的に昇華させていく」  疑似的。  そう。暗示による感度上昇などはまやかしに過ぎない。  所詮は催眠。感度上昇の効果は長くて2日程度。この実験は数日に渡って行われ、その後は彼女たちは肉体改造と洗脳を施される予定だった。 「もう一度いくぞ」  暗示は繰り返されていく。  何度も何度も。  どんなことがあっても暗示を決して忘れないように。  忘れさせないために。  イロハとシヅルの顔が無表情のまま、暗示を繰り返されるたびに赤くなる。それは羞恥からではなく発情からくる赤み。静かだった呼吸ははぁはぁと耳に聞こえるくらいには大きくなり、湿りのある吐息を吐き続ける。 「ゼロ」 「ゼロ」 「ゼロ」  暗示が繰り返され、ゼロという言葉とともにチサトの手を叩く音が聞こえ、微動だにしなかった200名の警察騎士たちはいつしかブルブルと身体を微細の揺らし、身体の3つの突起は完全にそそり立っていた。  空気の動き、身体の動き。暗示の重ね掛けにより驚くほど感度が上がった彼女たちの身体はそれだけで小さな快楽を感じだす。 「よし、そろそろいいだろう。乳首を弄れ。自分が気持いいと感じる、好きな弄り方をしろ」  ゆるゆるとした動きでチサトの指示を聞いた騎士たちの腕が動き出した。  そしてツンと尖りきった乳首を弄り始めた。 「……ん、ふ……ぁ……ぁ、ぁ……あ♥……あぁ……♥」  イロハは乳首をツンツンつつく、消極的な弄り方が好きなようだった。乳首をつつく度にビク……ビク……と身体を震わせ、太ももに秘所から漏れ出してきた淫ら汁が垂れていく。 「……あっ♥は……あぁ……あっ……んっ♥あっ、あっ……♥」  シヅルはイロハと違って、乳房を支えるように下乳に手を添えて人差し指の指先でカリカリと積極的に乳首を弄っている。指先が乳首の先端を擦るたびにビクッ、ビクッと身体を大きく跳ねさせて、ダラダラと秘所からイロハよりも大量の愛液を漏らしていた。 「しっかり感じているようだな」  200名の女たちは無表情から、まるで氷が解けるように顔をだんだんと蕩けさせていく。  この場にいるほとんどのものは乳首を弄ったくらいで快楽を感じることはない。しかし、暗示で感度が上げられた今、誰しもが性感帯としての乳首を手にし、快楽を感じている。  講堂中に騎士たちの小さな喘ぎ声が響き、むわぁと雌の臭いが充満していく。 「これから10から0までカウントする。0になったら乳首で絶頂しろ。10……」  カウントが始まる。  9、8、7……とゆっくりとカウントは進んでいく。 「2……1……乳首でイケ……ゼロ!!」  その言葉が耳に入った瞬間、イロハはギュッと指先で乳首を潰すように押さえ、シヅルはカリッと強く乳首をひっかいた。 「んくぅうううっ……♥♥あ、はぁぁぁ……あぁぁ♥あ……あ、あ……♥」 「んっひぃいいいっ……♥♥あひぃぃっ……♥はっはっ、あっ……はあ、ぁ……♥」  ビクンッと誰もが大きく身体を痙攣させて、絶頂の声をあげてイった。乳首アクメをキメた女たちは眼をトロンとさせて恍惚とした笑顔を浮かべており、この場に男がいれば情欲を掻き立てる淫靡な顔をしていた。 「どんどんいくぞ。次はクリトリスだ。クリトリスを弄れ。好きなように弄るといい。10から0までカウントするので0になったらクリトリスで絶頂しろ。10……」  乳首の時と同じようにカウントが始まる。  女たちは蕩けた淫靡な顔で正面を向いたまま、片方の手の人差し指と中指で、勃起したクリトリスをさらに強調するように肉芽の周りにある包皮を左右に広げ、もう片方の手の指でクリトリスを弄りだす。  弄り方は十人十色で、指でキュッキュッとつまんだり、指の腹でグリグリと押さえたり、指先でピンッピンッと弾いたりしている。 「くふっ、あっ……♥んっ、ああっ♥あっ……んっ、んっんっんんっ♥♥あ、は、あぁぁぁ……ああっ♥♥」  イロハはギュウギュウと強くクリトリスを摘まんで、強い刺激を与えていた。乳首の時とは真逆の積極的な刺激の仕方であり、強い快楽にガクガクと脚を震わせ、大量のとろみを帯びた液体を股から零して床を濡らす。   「んっ……♥ふ、ぁ、ぁ……♥あぁぁ……♥んっ、ふっ……ひっ、あ、あぁ……♥♥あっ……あ、ひ……♥」  シヅルは乳首の時とは真逆で、指先をクリトリスの周りを撫でるようにクリクリと動かすだけという消極的な動きだった。それでも感じる快感は強く、脚をブルブルと震わせながらポタポタと愛液を床へ垂らしながら弄っている。  「……4……3……2……」    騎士たちは誰もが奇妙なダンスを踊るように腰をくねらせており、カウントが進むにつれて腰の動きが小さくなって腰をブルブルと震わせ始める。 「1……クリトリスでイケ……ゼロ!!」  誰しもが、クリトリスを強く抓った。ビックンと一斉に女たちが肉体を跳ねさせさ、腰をヘコッと前へ突き出す。 「っッ~~~~~~~……♥♥♥ッッッ……♥♥んっ、く、はあぁああぁぁぁ~~~~~……♥♥♥♥」 「お"っ♥♥——ぎ、ひぃいいぃ~~~~~~~~……♥♥♥♥ッッッ……♥♥あ、はぁあ、あ、あ……♥♥♥」  乳首とは比べ物にならない強い絶頂が襲い掛かり、キュウウウッと膣が引き締まってブチュブチュと淫らな果汁が絞り出す。シヅルと50名を超える女たちが潮を吹き、踊り狂う快楽の波に目をパチパチとさせて、女騎士たちは腰をブルルと小刻みに震わせる。 「はぁ、あぁ♥あ……あぁぁ……♥」 「ん、ふ……く、ふー……♥ふー……♥」    絶頂の余韻は30秒ほど続き、次第に身体を弛緩させて女たちはクリから手を放してまっすぐ立った。  余韻が完全に収まっても、瞳はいまだに濁らせたまま、誰もが目つきをとろりとさせて熱にうなされているかのようにぼぅっと斜め上を見つめている。   「次はマンコだ。今から配るものを手に取れ。……配れ」  壇上の左右の控えから20人の精鋭たちが出てきて、横に並んでいる列へ向かう。その手には大きめの革袋を持っていた。  それぞれの列に精鋭たちが着くと革袋を開き、中からある物を取り出す。  男の肉棒を模したディルドであった。  底は吸盤になっており、大きすぎず小さすぎず、初めて入れるものであっても大丈夫な大きさと太さのディルドであり、列に付いている精鋭たちは一人、また一人と一つずつディルドを渡していく。  やがて全員に手渡し終わると、チサトが話し始めた。 「今配った物、ディルドをマンコに入れてオナニーしろ」  約半数の女たちは男で入れることに経験済みであり、残りの女たちの内、3分の1の女たちはオナニーでディルドを使っていた。シヅルはオナニーでディルドを使ったことがある女だった。  そして3分の2の女たちはオナニーはしたことあっても、したことなくても初めてディルドを使うものであり、性交経験がない者達であった。その中にはイロハも含まれている。  ディルドを使ったことがなくてもその形状と性知識をかけ合わせればそれでどうやってオナニーをするのかは、催眠状態であっても簡単に判断できる。   「んっ……ふ、ぐ……あ、あ……♥あ、は……♥」 「あっ♥ん……んぁ♥あ、あぁ、あはぁぁ……♥」  イロハやシヅル、他の騎士たちは前屈みになって手に持っているディルドをアソコへとあてがって挿入する。  イロハはゆっくりゆっくりと、手をわずかに震わせながらディルドを挿入していき、シヅルは躊躇いなくズルル……とディルドを挿入した。  ヌルヌルでみっちりとした肉をかき分け、ディルドは子宮口にコツンと当たる。そうすると誰もがディルドを引き抜いていき、カリ首が膣口に引っかかると再び奥へと入れていく。人によっては激しく、またゆっくりとその動作を繰り返しているが、カウント進むほどに皆のディルドを動かす速度は素早くなり、グチュグチュと激しい水音が合唱している。 「……4……3……2……」 「ふっ、あっ、あっ……♥はぁ、はぁ、あああっ♥♥あっあっあっ、ああっ♥♥」 「んっんっふっ♥ふああっ、ああっ……♥はあ、あ、あ、あぁぁっ♥♥あっ♥♥」  脚はカクカクと開閉を繰り返し、腰は時折ヘコッと引っ込める。子宮口にディルドが届く度に膣全体が引き締まり、引き抜いて膣道を擦る度に腰をブルブル震わせる。大きな果実をぶらさげている者は緩やかに揺らし、ジュボジュボと密着した淫穴から愛液が掻きだされて太ももには幾本に分けて線を引いて垂れ流れている。  カウントがゼロに近づくほど、感じる快楽は強くなり膣や子宮が収縮して、絶頂の準備を始める。  カウントが進む。  ゼロが近づく。絶頂が近づく。   「1……マンコでイケ……ゼロ!!」  女たちは一斉に手の持ったディルドを膣の奥底へ突き刺し、ズポンッと降りてきていたポルチオを簡単に貫き子宮を力強く突き上げた。  下腹部から脳天まで身体の芯を快楽の雷が迸り、女騎士たちは腰をビクンッと勢いよく引っ込めて身体をくの字に曲げた。    「ふぁっ♥——ああぁああぁぁぁぁんんっっ♥♥♥ッッふ、ん~~~~~~~……♥♥♥ッ、ッ、ッッ~~~~~~~~~~……♥♥♥♥」  「あっひぃいいいぃぃ~~~~~~~っっ♥♥♥ひぃあぁっ、あはぁぁおぉぉ~~~~~~っっ……♥♥♥♥あひっ、ひひっ……♥♥♥」    イキ声を叫びながら、乳首よりもクリトリスよりも深い快楽でイロハやシヅルたちは全身を小刻みに痙攣させながら絶頂した。  ディルドをマンコと子宮が力強く締め付け、あふれかえった愛液が膣口の隙間からブチュブチュと溢れ出てくる。クリトリスの時よりもシヅルを含む100名の者たちが盛大に潮を吹き、イロハもピュッピュッと控えめに潮を漏らしていた。 「ふく、あぁ……♥あはぁぁ……♥♥は、あ、あ♥あ……♥あっ、あ……♥」 「あ、お……♥おぉぉ……♥ああっ♥♥は、ぉ、お……あひっ、ひ……♥」  快楽の余韻に浸りながら誰もが手をわずかに動かして子宮を軽く突いている。  深く前屈みになった女たちは顔さえも伏せ、ふぅふぅと荒い息を吐きながら腰をブルブル震わせて甘イキを繰り返す。 「最後にアナル、尻穴だ。まずはマンコからディルドを抜き、ディルドを床に置け。そして吸盤で固定しろ」  全員がディルドを抜き、生まれたての小鹿のように脚を震わせながら屈んでディルドを床に置いた。そして力を入れてディルドを押し込み、吸盤を床に吸い付かせて、立ち上がる。 「ディルドの上に跨って腰を下ろせ。そのままアナルにディルドを入れて腰を振ってオナニーしろ。10から0までカウントするので0になったらケツ穴で絶頂しろ。10……」  ディルドの真下が股間になるように跨って、ゆっくりとした動きで腰を下ろす。  彼女たち自身の愛液でヌルヌルのディルドの先端にアナルが触れると女たちは床に手をついて、ヒクヒクと蠢いている菊門はくっぱりと開いてディルドの先端をぱくりと食む。   「ふく、あ♥ぐ……はぁ、はぁ……ぐ、あ、お、お……♥ぎ、おぉ、お"……♥♥」  イロハはほとんどの女たちと同じように腰を下ろし続けるが、アナルが異物を押し返そうと抵抗する。彼女にとって初めてのアナルだった。ほとんどの女騎士たちは同様な様子でゆっくり、ゆっくりと絡み付いたぬるりとした淫液をアナルになじませて、少しづつディルドを飲み込んでいく。  しかし、本来なら感じるべき痛みは暗示のおかげであまり感じておらず、むしろゾクゾクとした快楽がアナルを緩くさせうねうねと肉を蠢かせる。   「ふぉおっ♥♥お、お、お……♥お"っ、お"っ……♥ほぉお"……♥♥おぉ、お"ぉ"ぉ"……♥♥」  対するシヅルとごく少数の女たちのアナルは簡単にディルドを吞み込んでいった。アナル自体がすでに拡張済みである証拠であり、彼女たちがアナルオナニーやアナルセックスをしたことがあるということだった。普通、アナルで快楽を感じようとするものはおらず、彼女たちがいかに淫乱であったのかがわかる。  開花しているアナルの甘美な性感に背筋を震わせ、奥にある快楽ポイントがディルドの先端で突かれると丸まった背中をわずかに反らせた。 「……4……3……2……」 「お"、お"、おおっ……♥ほっ、ひっ、ふっ、ふっ……あ"♥おっ、お"お"っ♥おっ……♥♥くっ、はっ、あっ、おっお"っほっ♥」 「おぉんっ♥♥お"っ♥ほっ、ほっ、おおおっ……♥♥ほひっ、ほっ、お"お"っ、ほぉおおっ♥おおっ、お"っお"っお"っお"っ♥♥」    床についた手を支えに、全裸の女騎士たちが濁った目つきのまま、鍛えられ引き締まった大小さまざまな魅力的な尻を上下に振る。   イロハを含む大半の女たちはグ、ポ……グ、ポ……と慣らすようにゆっくりと動くが、カウントが進むにつれて腰の振りは速くなっていき、感じられる快感も大きくなっていく。  シヅルを含む少数の女たちはグポッグポッと一心不乱に尻を振る。それは慣れたものの動きであり、アナルの快感をイロハたちよりも深く感じていた。  カウントがゼロに近づいていく。  グポッグポッグポッグポッ……。  動きの揃っていなかった尻の動きが今では呼吸を合わせるように合い、ただただ汚らしい音と低い喘ぎ声と鼻息だけが講堂に響くと同時に彼女たちの感じる快楽は最高のボルテージを迎える。    「1……」  最後のカウントの直前、全員がディルドが抜けるギリギリの位置まで腰を上げた。    「アナルでイケ……ゼロ!!」  その一声とともに勢いよく腰を下ろして、女たちはディルドを深々と刺し入れて奥にある快楽スポットを穿った。 「——んほおっおーーーーーーーっっ♥♥♥♥ぐっ、おっ……ひぐぅうぅううっ……♥♥あぁあぁぁ……ふーーーっ♥ふーーーっ……♥♥♥」 「——おほっほぉおおおおーーーっっ♥♥♥♥お、お、おぉおっ♥おおおっ♥おっ……♥ほっひっ、ふっ……♥ふっふっふーーっ……♥♥♥」  獣のような叫び声が一斉に飛び出し、待てをする犬のような腰を深く下ろした恰好で背筋を思いっきり反らし、顔を天井に向けながら200名の女たちは不浄の穴でアクメした。  尻奥から迸った快感はアナルを震わせ、背筋を震わせ、脳を痺れさせた。ゾクゾクッ、ゾクゾクッと絶え間なく快感が流れ、伏した顔のしたでは目を見開いて悦びの笑顔を浮かべている女騎士たちは腰をブルブル震わせて何度もディルドの先端で直腸奥を刺激し続ける。  やがて絶頂の波が遠ざかると、誰もが足をカクカク震わせながら立ち上がった。 「今日はここまでにしよう。いいか。お前たちは今後、どんな理由でこの講堂に呼ばれても何も疑問を抱かずここに集まる。お前たちは催眠状態が解除されると、催眠状態になって解除されるまでの間に起こった出来事を忘れる。しかし、心の奥底では確かに覚えている。この快感を。己の上げた淫靡な声を。暗示を」  全身からじっとりと汗をかき、目元と口元を緩ませてトロ顔をさらしている女たちは静かにチサトの言葉を聞いていた。 「さぁ、服を着ろ」  ゆるりとした動作で全員が騎士服を着用する。 「私が手を鳴らすとお前たちは催眠状態から帰ってくる。帰ってきたとき、お前たちは検証実験は終了したと思い込む。そしてこの講堂の現状に疑問は抱かない。いくぞ……」  ——パンッ!! 「……ん?」 「……あ、れ?」  イロハやシヅル、200名の騎士たちの意識が急浮上した。 「それでは検証実験は終了とする。解散」  チサトは問答無用とばかりに言葉を言い放った後、壇上から控えに姿を消した。   「……ふー。終わった終わった。さっ、あの組織について調査するわよ」 「……りょうか、い。それが終わったら食事をしよ、う」  イロハとシヅルは講堂を出ていった。それは他の騎士たちも同様であり、皆が皆、びちゃびちゃと床にある水たまりや飛び散っている飛沫、床に残されているディルドに疑問を抱くことはなかった。  それから彼女たちは毎日、毎日、暗示をかけられて指示絶頂を繰り返された。  喘ぎ声しか出していなかった彼女たちだったが、日が経つにつれて催眠が深く、深くかかるようになった影響か、言葉を発するようになっていた。 「はぁ、あああっ♥アソコっ、きもちいのっ♥♥ああああっ、く、る♥ああ、あああっ、くるっ♥あああっ、あっ♥♥きたぁああ"っ♥あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っっ♥♥♥♥」 「お"お"お"っ♥♥け、つっ、イクッ♥♥あな、るっ、い、クッ、イクッ♥い、くっ♥♥お"お"ぉ"お"っ♥♥ほお"ぉ"お"お"っ、ほっ、お"お"お"お"ぉ"お"お"ぉ"ぉ"ぉっっ♥♥♥♥」    そして講堂内だけだった淫乱な行為も、本部内でも行われるようになった。  ——ちりーん……ちりーん……。  本部内の廊下で精鋭の一人が鈴を鳴らしながら歩いていく。それは廊下にいる者はもちろん、部屋の中にいる者にも聞こえた。  騎士たちにはこの鈴の音が聞こえると発情するように暗示がかけられており、何の疑問も抱くことなく突如湧き上がってきた情欲の炎を慰める。 「「「ふっ、んぅうっ♥あああっ……♥♥はあぁぁっ♥♥んっ……ふっ♥くっ、ああっ、あっ♥」」」  廊下を歩いていた複数の騎士は壁に寄りかかってオナニーを始め……。 「はぁあっ……♥ふっ、くっ……はぁ、あ、あっ……♥くっ、ぁあっ……はああっ♥♥」    とある部屋の中では紙に文字を書きながら、片手をパンツに突っ込ませグチュグチュと水音を鳴らした。  イロハとシヅルも部屋の中で捜査について議論を交えていたのだが……。 「はぁ、んちゅ……♥ふ、ぅ……あ、ふ……♥」 「んんっ、ぢゅる……♥んふ、ふっ……♥」  肉体は突然に火照り、彼女たちは騎士服を脱いでお互いの胸に手を伸ばして乳房を揉みながらキスを交わす。だんだんと火照りは熱へと変わっていき、ふたりはお互いの身体を支え合いながら腰を前に突き出してクリトリス同士をこすり合わせる。 「あああっ♥はっ、いっ、はああっ♥いいっ♥それぇっ……♥♥あぁぁっ、あっあっ♥」 「すご、いっ♥はあっはあっ♥いいっ♥きもち、い、い……♥あんっ、あぁんっ♥♥」  本部にいた暗示をかけられた全員が淫らに乱れ、色欲の奴隷となっている。  そうして講堂での催眠と、鈴の音による発情は1か月ほど続き、アシラの催眠実験は終了した。  実験が終わり用なしになった彼女たちに待ち受けていたのは、肉体改造と洗脳だった。 「あ"あ"ぁ"あ"っ♥♥きもひっ、きもちいっ♥ちかうっ、ちかうのっ♥忠誠ちかう"ぅ"う"う"う"っ♥♥わらひっ、しゃどうのどれいっ、どりぇいなのぉお"お"お"っ♥♥♥あ"あ"あ"あ"っ、イクッ♥イクイクイクッ♥♥イクーーーーーーーッッ♥♥♥♥」 「あ"っあ"っあ"っ♥♥ぎも、ぢいっ♥♥お"ぉ"お"お"っ、マンコぎもぢ、いっ♥♥ああああっ、シャドウにっ、すべてささげ、るぅうっ♥♥あ"あ"あ"あ"っ、イグッ♥お"ぉ"お"お"っ、ぎもぢいのちょうだ、いっ♥♥♥あ"あ"っ、イグッ♥♥イグッッ♥♥♥」    催眠によって1日に5名ほどを改造工場へと移動させて、肉体改造も、洗脳も催眠のおかげかスムーズに行われ、1か月かけて200名の警察騎士団員たちをシャドウの奴隷とした。  彼女たちが待ち受けているのは精鋭たちと同じ末路であり、オークションにかけられ、誰もがシャドウの、落札者の、快楽の奴隷となった。  こうして警察騎士団は表面上は正常であっても、裏では誰一人抵抗することができず殲滅させられた。 「陛下」  王城にある、ムラサメ王国を治める女王の部屋。その扉を守るように扉の左右に白い鎧を着た女近衛騎士が立っており、扉の前に黒い鎧を身に纏った一人の女騎士が立っていた。  彼女は総数100名の近衛騎士団を纏める近衛騎士団団長であり、名前はミヤ・オオヤナギ。  鎧の上からもわかる、男であればだれでも目を見張るほどの大きな胸の持ち主で、紫色の臀部まで届く髪をうなじのところで結い、一房にしている。鎧の下にはがっちりと引き締まった鍛え上げられた肉体があり、腹筋は見事に割れている。  そんな彼女は趣味も筋トレとどこか男っぽいが、顔つきは美女そのもので、麗し気なまつ毛が美しさを引き立てている。  近衛騎士として非常に優秀であり、20代後半という異例の若さで近衛騎士団長となり、30代半ばに差し掛かった彼女は約10年、その地位につき王城を、女王を守ってきた。 「陛下、朝餉の時間です」 「いま行きます」  ミヤの呼びかけに女王が答えた数秒後、扉が開かれる。 「お待たせしました、ミヤ」  部屋から出てきた白いドレスを着た女性こそが、大陸の覇者ムラサメ王国を治める女王、コトネ・ムラサメである。  腰ほどまで伸ばしている艶やかで豊かな黒髪は、緩く波打っている。磨き上げられている肌はきめ細かく、染み一つない。整いすぎていると言われる容姿は、全てのパーツが調和しており、年齢は40代前半だがその美しさは衰えることを見せず、一目見たものの心を瞬く間に落としてしまう。柔らかな曲線美のある肉体とふっくらとした胸は、女性としては羨ましすぎるくらいバランスが取れている。  ムラサメ王国には元々はコトネの夫である王がいたが、早世してしまい、まだまだ10歳の王太子、ハルトが17歳の成人の儀を迎えるまで代わりに女王としてムラサメ王国を統治している。   「それでは行きましょうか。アヤカ、アヤネ。引き続き警護をお願いしますね」  コトネがミヤを引き連れ朝食をとるために移動する前に、女王の部屋の扉の警護をしていたふたりの騎士に声をかけた。  2人の騎士、アヤカとアヤネは双子であり、アヤカが姉、アヤネが妹である。年齢は25歳を迎えるが、どちらも童顔であるため見た目はもう少し幼く見える。しかし、女王の部屋の警護を任せられるほどその実力は高く、ミヤからの信頼も厚い。    「「ハッ!!」」  双子の騎士は声を張り上げ、コトネの言葉に応えた。そうしてコトネの姿が見えなくなるまで敬礼してその姿を見送った。  コトネは朝食を終え、謁見の間へ歩みを進めた。  謁見の間は部屋の奥に王座があり、玉座の前には5段ほどある二つの階段が間をおいて配置している。そこから出口までは平らな間が広がり、王座まで中央には赤い絨毯が置かれていた。  謁見の間は謁見するだけでなく、朝議の場としても使われている。  女王は謁見の間に入るとすでに大臣たちが揃っていた。10名を超える大臣たちが赤い絨毯の敷かれている道の左右に控え、玉座から見て一つ目の小さな階段の間に一人、もう二つ目の小さな階段の間に一人、男が立っている。  コトネは傍らにミヤを引き連れながらゆったりと中央の絨毯の道を進んで玉座に座り、ミヤはその真横に付いた。 「それでは朝議を始める」  玉座から見て一つ目の小さな階段の間に控えている男性、宰相が発言した。  朝議は基本的には女王に対して前日から今日の朝にかけて起こった問題や成果を報告する場であり、短時間で終わるものだった。   「それでは財務大臣から」 「えー……財務に関しましては——」  財務大臣、農林大臣、外交大臣と次々と報告がされる。問題なしと言うものもいれば、ちょっとした問題とその解決策を口にするものもいる。  瞬く間に時は流れ、全員の報告が終わった。 「最後に女王陛下。何がございますでしょうか」 「コジロウ、ハルトの勉学中の様子はどうでしょうか」  玉座から見て二つ目の小さな階段の間に控えていた王太子の教育係である、短く髭をそろえた50代半ばの中年太りした男性、コジロウが口を開いた。 「お答えします。ハルト王太子は非常に勤勉な様子で勉学に励まれております。また興味を抱いた学問については書斎にこもり熱心に勉強しております」 「分かりました。このまま引き続きよろしくお願いしますね」 「もちろんです、女王陛下」  自らの子であるハルトの教育に、コトネはあまり関与していない。それは前王の時代から忠義の士として認められていたコジロウに全幅の信頼を寄せているからであり、教育に関しては時折進捗などを確かめるだけにしている。 「それでは朝議を終わる。女王陛下、ご退出」  その言葉を聞いたコトネは群臣たちの間をゆっくりと歩いて、謁見の間を出ていった。 (今日の報告も特に危なそうなものはありませんでしたね)  平和な一日の始まりだ。  コトネはこの朝議の内容を聞いて、いつも平和な日が訪れることに感謝をしていた。 「陛下、本日のご予定ですが——」  コトネはミヤから伝えられる自身の今日の予定を聞き、この国の平和を維持し続けるために政務に努めた。  そうして夜のとばりが降りる頃、政務は終わりコトネは自室へと戻った。双子の近衛騎士は別の近衛騎士と交代しており、ミヤも警護を終えて帰宅している。  城門が閉じられ桟橋が上げられたころ、夕食も王太子であるハルトとともに取り、再びコトネは自室へ戻った。 「ふぅ……。今日も一日、平和でしたね」  静かな部屋の中でコトネの独り言だけが聞こえる。部屋内には壁際に静かにたたずんでいるメイドがおり、彼女に手伝わせながらがドレスを脱ぎ、薄ピンク色のネグリジェに着替えた。そしてメイドへ今日の仕事は終わっていいと伝えて外へ出るように伝えた。  メイドが外に出て一人の時間ができると、就寝の時間までコトネは時間をつぶそうと趣味である読書にふけることにした。  部屋の中にある本棚へ向かう、その時ふと思う。 (そういえば……皆顔が赤かったような……)  城で働いている女性たち、扉を守っていた双子の護衛騎士も、部屋の中にいたメイドも、その誰しもが少々顔を紅潮させており、息も荒かった者もいたような気がした。 (いつも私の傍を離れないミヤも……時折立ち尽くすこともありましたし……)  職務に忠実なミヤは護衛として常に気を張っており、これまでにそばを離れたことはなかった。しかし、今日、いや思い返せばここ数日間、気配を感じなくなったとおもって振り向くと、心ここにあらずといった感じに、知らぬ間にミヤは歩みを止めて立ち止まっていた。呼びかけるとはっとしたようにすぐに傍まで来たが。 (メイド長も……)  メイド長、アカリ。彼女は短く切りそろえた赤髪をした中肉中背で、いつもは凛々しく見える無表情を顔に張り付かせている、30代前半の女性だ。  メイド長になってからミス一つ犯したこのない彼女だが、ここ数日間、些細なミスを連発していた。そんな彼女も顔を赤くしていたように思える。 (風邪でも流行っているのでしょうか)  ミヤは単純にそう考えた。王城中の女性の誰もが顔を赤くし、息も荒く、注意力も散漫していたからだ。 (これは明日、確認する必要がありそうですね)  本当に風邪、もしくはそれに類似した病気が流行っているのであれば、対策をしなくてはならない。  そう思い、コトネはドレス本棚から読みかけであった本を取り、読書を始める。  やがて眠気を感じると、静かに本を閉じて大きくふかふかのベッドで就寝した。 「起きて下さい、女王陛下」 「ん……」  声をかけられてコトネは眠気眼で周囲を見る。まだ暗い。  そしてすぐさまハッとする。  女王の部屋には女王の許可なくば入るべからず。  それは王城で勤めている者であれば、誰でも知っている規則であり、もし破ることがあれば極刑になることになる。  そして彼女に呼びかけた声の主はミヤであり、もっともその規則を破らないものであった。 「ミヤ!! なぜここ、に……」  𠮟責するつもりで、この国を治めるものとして厳しい声をあげようとしたコトネだが、すぐにその声は細くなっていった。  それもそうだ。  なぜならミヤはいつもの着用している鎧ではなく、ボンテージ服を着ているからだ。  肌の露出の高いそれは、背中や腹部、胸をさらすような構造であり、ミヤは巨大すぎる胸を惜しげもなく披露している。履いているパンツは非常に布面積が小さく、秘所はかろうじて隠れているが少しでもずれれば大事なところが見えてしまうような、アブナイなパンツだった。膝上から足先までぴっちりとしたタイツを着用し、高いヒールのブーツを履いている。  あまりにも破廉恥すぎる格好に、コトネは言葉を失っていた。  そしてこちらに向けている顔の表情。  社交界で幾重にも仮面をつけてきた貴族たちと対してきたコトネは、顔を見れば隠している感情というものが見える。  今のミヤは無表情。その下にある感情は何もない。  怒りや悲しみはもちろん、謀反ともいえる行動をしているのにも関わらず動揺もない。  ただ無。無表情の下には本当に何もなかった。 (何が、何がおこっているのですか!? なぜミヤがこのような……!?)  政務が終わって別れるまでは、普段通りのミヤだった。  何が……、何が起こっているのか。  動揺と混乱で呆然としているコトネに、ミヤが言葉をかける。 「さぁ、参りましょう。陛下」 「っぅ……!!」  ミヤはコトネの手首を掴んで無理やり身体を引き起こした。  手首を掴む力は強く、そこには女王であるコトネに対する配慮などなかった。 「はなっ、してくだ、さいっ……!!」  振り払おうにも振り払えず、腕を引っ張られて足をもたつかせながらコトネは扉の外へと連行させる。 「なぁっ……!?」  そしてコトネは部屋の外へでても、あまりの状況に目を見開いて驚愕した。  扉を出て通路の両脇には、この城で働いているメイドや近衛騎士団が等間隔でずらりと並んでいた。  驚くべきことに誰もが服を着ておらず、男たちが見れば欲望を刺激される裸体のまま、ミヤのように無表情で正面を見据えて突っ立っていた。  扉の両端には双子の護衛がこれまた裸のまま直立不動で立ち、そこから左側に少し離れて、メイド長たるアカリがミヤと同じようにボンテージ服を着ていた。 「参りましょう。陛下」  アカリは無表情のまま、ミヤと同じような言葉を口にして連れ出され、そのまま連行させるコトネの背後を付いていった。  等間隔で無表情で不動のままの女たちの通路を通るコトネは言いようのない恐怖を感じていた。 (あれはユイ、チグサ……。あれはユリカ、ウイ……)  無表情で立つ者の中には顔見知りのメイドや近衛騎士団がいる。  誰もが忠誠心を持って笑顔で接して来たもの達であり、そんな彼女たちのこれまでに見たこのない無表情に頭がおかしくなりそうだった。